【セミナー】写真保存センターセミナー・大阪
「写真フィルムを長期保存するには…講演と包材のデモンストレーション」
皆さまが撮られてきた数多くの写真フィルムが、知らぬ間に劣化が進み使用できないまでにダメージを受けていることをご存知ですか。
「日本写真保存センター」では2007年から、文化庁の委嘱を受けて「写真フィルムの保存・活用」と「文化関係資料のアーカイブの構築」に関する調査研究を行っています。これまで最も一般的に使われてきたTAC(トリアセテートセルロース)フィルムの劣化現象のひとつに、ビネガーシンドロームと呼ばれるフィルムベースの加水分解による劣化があります。フィルムは高温、高湿度の環境に長く置かれたままだと約10年で劣化が起こり、使用できなくなります。対策としては、低温、低湿度の場所に移して、フィルムが納まっている包材を中性紙のものに交換する必要があります。
本セミナーでは、講師に保存科学の専門家、園田直子氏をお迎えし、写真原板の適切な保存についてご説明頂き、合わせて写真保存センターの実践状況をご紹介致します。また、展示では包材を実際に手に取ってご覧いただけます。関西での初めての機会、ぜひご参加ください。
☆終了しました
日時:2017年10月20日(金) 14:00~16:30(13:30より受付)
場所:メットライフ本町スクエア(地図を表示)(旧大阪丸紅ビル) B1会議室
大阪市中央区本町2-5-7<富士フイルムフォトサロン大阪の地下会議室です>
定員:80名(申込先着順、満席の場合のみご連絡します。)
参加費:無料
申込先:Faxまたはe-mailで、日本写真家協会事務局まで
Fax: 03-3265-7460
email : info@jps.gr.jp
emailでお申し込みの際は「日本写真保存センター大阪セミナー申込」と題し、氏名、ご連絡先、ご所属(任意)、をご記入の上ご送信ください。
プログラム
基調講演「写真・映像資料の保存―国立民族学博物館での取り組み」
園田直子(国立民族学博物館教授)
日本写真保存センターについて
松本徳彦(公益社団法人日本写真家協会副会長)
日本写真保存センターの保存対策
中川裕美(日本写真保存センター調査員)
包材の展示(随時)
参加会社:㈱コスモスインターナショナル、㈱資料保存器材、㈱TTトレーディング、PGI、
ラーソン・ジュール・ニッポン㈱ ※50音順
講師紹介
園田直子 (大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立民族学博物館教授)
専門は保存科学。国立民族学博物館において、博物館における持続可能な資料管理を目指し、総合的有害生物管理 (IPM)、資料の展示・ 保存環境、収蔵庫の再編成などに関する研究に取り組む。 編著書に、New Horizons for Asian Museums and Museology, Springer Singapore(2016年)、『紙と本の保存科学(第2版)』 岩田書院(2010年)、『博物館への挑戦――何がどこまでできたのか』日髙真吾と共編 三好企画(2008年)などがある。
協力会社紹介
株式会社 コスモスインターナショナル
1980年創業時にポジフィルム整理用品を開発・販売、その後、長期保存整理用品の輸入・製造・販売を行う。1990年に法人化、写真整理業務を開始、現在は貴重な写真作品のオリジナル保存およびデジタル化を進めています。保存用品のPRINTFILE社、UNIVERSITY社、アルバムのBREWER-CANTELMO社、PINAZANGARO社からの輸入を継続しています。
東京都目黒区下目黒3-1-22 03-3494-8621 niiyama@cosmosint.co.jp
担当:新山洋一
株式会社 資料保存器材
長期間保存し活用していく資料を、できるかぎり良い状態で維持するためのアーカイバル容器のオーダーメイドでの製造販売と、紙媒体記録資料(図書/雑誌/新聞/地図/図面など)のニーズに応じての充分かつ適切な処置を心がけたコンサベーション(修理)を行なっております。また、日本で唯一の物理的にも科学的にも資料に安全なガス吸着材『GasQ』を製造販売しております。GasQは大気中の、または資料そのものから発生するガス(酢酸やアンモニア)を吸着し離しません。
東京都文京区本駒込2-27-16 03-5976-5461 abe@hozon.co.jp
担当:阿部祐貴
株式会社TTトレーディング
―貴重な資料を未来へ― 国産(特種東海製紙株式会社製造)の保存・保護用用紙と用品類を製造・販売しています。これらの製品は、厳密な工程管理のもと、中性~弱アルカリに仕立てています。貴重な資料や作品をさまざまな外部劣化要因(光やホコリ、大気汚染物質、温湿度の変化etc.)からまもるため、博物館をはじめとして、美術館、図書館、公文書館などでご採用をいただいております。
東京都中央区八重洲2-4-1ユニゾ八重洲ビル6階
03-3273-8516 shop-tp@m.tt-paper.co.jp
担当:久保木良彰 秋田若登
PGI (株式会社TKB)
1979年に写真作品を販売する商業ギャラリーとして設立。ブックマットによる保存額装の必要性と合理性を提案し、コットンラグで作られた無酸性マットボードや、低反射ガラス、保存箱などを輸入販売。多くの美術館コレクションのマッティングや額装を手がける。豊富な経験を活かし小ロットからの特注製品の提供など、美術館、写真家、コレクターの様々なニーズにお応えできるよう努めています。
東京都港区東麻布2-3-4 TKBビル3F 03-5114-7935 info@pgi.ac
担当:西丸雅之
ラーソン・ジュール・ニッポン株式会社
グループ内に英国のコンサベーション・バイ・デザイン社、フランスのストゥルズ社という永年保存・修復・展示に関する商品を製造販売する会社を持ち、大英博物館、大英図書館、ルーブル美術館、日本国内では国立国会図書館、東京国立博物館などでご採用頂いております。各国の保存・修復専門家の研究と永年の経験を基に、高品質で安全な材料で中性紙保存箱等の保存用品を少量・短期間・経済的な価格でご提供しております。
東京都港区高輪3-4-1 03-5421-2061 info_cxd@larson-juhl.co.jp
担当:コンサベーション・バイ・デザイン(CXD)事業部 松田香世